風の神様からのおくりもの


  風の神様からのおくりもの7


風の神様は、四百年にひとつだけとれる黄金色のま
ゆ玉を、とても大切にしておりました。そのまゆ玉
はたとえ風の神様がもうひとつほしいと思っても、
なかなか手にはいらない貴重なまゆ玉だったのです。



とくにこの頃は、人々に優しさがなくなり、「自分
さえよければ、他人はどうなってもよい」という人
がほとんどです。
だからニ千年位たたないと、黄金色のまゆ玉は手に
はいらなかったのです。
黄金色のまゆ玉は、この地方に住んでいる人々の優
しさをしめす、鏡のようなものでした。



次の日の朝。
窓をあけたおばあさんは、縁側できらっきらっと光っ
ているものをみつけました。


つづく


「風の神様からのおくりもの」は、みほよう
この初めての童話集・「風の神様からのおく
りもの」に収録されています。



http://www.bk1.co.jp/product/2056682



心を病む兄のために、明神様にお参りする心
優しい少女の話など4編。
信州諏訪を舞台に、美しい挿絵を添えて描か
れる心温まる創作童話。



風の神様からのおくりもの―諏訪の童話

風の神様からのおくりもの―諏訪の童話