風の神様からのおくりもの


   風の神様からのおくりもの13


そういえば、まゆのひとみもだんだん明るくなって
きたような気がします。



一方、風の神様も毎日まゆのことを心配していました。
「あーあ、せっかくのまゆ玉があんなに真っ黒になっ
てしまって…。かなしいのー。いつになったら、黄金
色のまゆ玉にもどるのだろうか」



「両親は毎日まゆに優しいことばをかけておる。なか
なかできないことじゃのー。そうそう、もっともっと
たくさん、まゆに優しいことばをかけておやり。それ
が何よりの薬なのじゃ」と。



一年がすぎました。
まゆと同じ頃生まれたこどもは、どの子もつかまり
ちができました。
発育の良いこどもは、もうくつをはいて外を歩いてい
ます。


つづく



「風の神様からのおくりもの」は、みほようこの初め
ての童話集・「風の神様からのおくりもの」に収録さ
れています。



風の神様からのおくりもの―諏訪の童話

風の神様からのおくりもの―諏訪の童話