風の神様からのおくりもの16
数日後、まゆはつかまりだちができるようになり
ました。
まゆ玉は一日毎に輝きをまし、まゆが生まれた日
のように、きらっきらっと黄金色に輝いています。
小さかったまゆ玉も、普通のまゆ玉位に大きくな
りました。
八月八日午後。
夕立がやんだので、おかあさんはまゆをだいて外に
出ました。
まゆが下におろしてほしいとせがむので、まゆを下
に下ろしました。
するとどうでしょう。
まゆが何もつかまらずに、しっかりと自分の足で立っ
たのです。
立っただけでなく、ゆっくりと一歩歩いたのです。
「まゆが歩いた、まゆが歩いたのよ」
おかあさんは大声でさけびました。
まゆはにこにこしながら、ゆっくりゆっくり五歩ほ
ど歩きました。
つづく
「風の神様からのおくりもの」は、みほようこの初め
ての童話集・「風の神様からのおくりもの」に収録さ
れています。
- 作者: みほようこ,長野ひろかず
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