きよと清太と、そして白駒9
「座禅草はね、雪が降っても、霜がおりても、二十
数度に体温を保っているんだって。その体温で、雪
をとかして芽をだすそうだよ。座禅草のような植物
を、発熱植物というらしいよ」
「清太さんて、何でも知っているのね」
「かあちゃんが、教えてくれたんだ。かあちゃんは、
花や小鳥が大好きなんだ。きよちゃんにも、いつか
かあちゃんを紹介するね」
清太は、自分は何をいっているのだろうと思いました。
長者のおじょうさまが、貧しいおらの家に遊びにくる
ことなんて、万に一つもないのに・・・と。
でも、かあちゃんに、きよちゃんを紹介できたらどん
なに良いだろうと、清太は思いました。
つづく