きよと清太と、そして白駒


    きよと清太と、そして白駒19


「夕方遅く、清太と二人っきりででかけるのかい?」
「そうよ。清太さんと二人でみに行くの。とうちゃん。
ゆうすげの花をみに行ってもいいでしょ?」



「きよ。おまえは、嫁入り前の大事な体なんだよ。今、
縁談の話もいくつかあるしね」
「とうちゃん。清太さんは、誠実な人よ。だから、と
うちゃんが心配することは何もないわ」
きよは、きっぱりいいました。



「とうちゃんも、そう思う。清太は、ほんとにまじめ
ないい青年だ。でも・・・長者の娘が、夕方遅く、使
用人と二人っきりででかけて行ったなんて、村の人た
ちにいわれても困るしね」
長者は、まよっているようでした。


つづく