きよと清太と、そして白駒


きよと清太と、そして白駒47


第四章 清太、長者のやしきを去る


次の朝。
清太は、まだ暗いうちに、長者の家を去
りました。
「きよちゃん。たくさんの楽しい思い出
をありがとう。八年間、きよちゃんのそ
ばでくらすことができて、おらは幸せだ
った。



おらは、きよちゃんが大好きだ。
きよちゃん。おらのことを忘れないでね。
さようなら」
そういうと、清太は、やしきを後にしま
した。



清太は、行くあてがありません。
家に帰れば、両親が心配します。
清太は、白駒がたおれていたという湖を
さがしだし、湖のほとりでこれからのこ
とを考えようと思いました。



しかし、その湖は、麦草峠の近くの原生
林の中にあるということしかわかりません。
清太は、麦草峠にむかって、とぼとぼと
歩いていきました。


つづく