きよと清太と、そして白駒


  きよと清太と、そして白駒49


「とうちゃん。清太さんは、今どこにいる
の。諏訪の家へ帰ったの?」
「清太は、家にはもどっていないそうだ。
清太は、どこへ行ってしまったのだろうね」



「とうちゃんって、ひどい人ね。私、とう
ちゃんのこと、信じていたのに。清太さん
がかわいそう・・・」
そういうと、きよは、自分の部屋へとじこ
もってしまいました。
そして、それっきり、部屋からでてきませ
んでした。



第五章 白駒



「だんなさま。だんなさま。た、大変です」
白駒の世話をしている人が、あわてて長者
をよびにきました。
「なにごとじゃ」
「し、白駒が馬小屋におりません」
「なに?白駒がいないと。白駒は、いつか
らいないのじゃ」



「はい。今、馬小屋をのぞいたら、白駒が
いませんでした」
「白駒は、わしの大切な馬じゃ。みんなで
手分けして白駒をさがしておくれ」
長者は、みんなにお願いしました。


つづく