きよと清太と、そして白駒


きよと清太と、そして白駒52


「清太さん。おぼえている? 秋になると、
二人でここへ松虫草の花をみにきたね。
清太さん。今、どこにいるの? なぜ、私
の前から姿を消してしまったの。私、清太
さんがいなくなって、とてもさみしかった。
私にとって、清太さんがどれだけ大切な人
か、よくわかった」
きよは、松虫草の花にむかっていいました。



すると・・・。
どこからか、赤いちょうが舞ってきました。
みたことのない、美しいちょうです。
ちょうにみとれていると、どこからかやさ
しい声が聞こえてきました。



「私は、八ヶ岳に住んでいる女神です。私の
愛馬「白駒」を、長い間大切に育ててくれて
ありがとう。白駒も、喜んでいましたよ。
白駒は、私のおつかいをしている馬です。
白駒は、昼間はあなたの家で暮らし、夜はと
きどき私の所へ帰ってきていました」



「白駒は、女神さまの馬だったのですね。
白駒が夜どこかへでかけていることは、先日
清太さんから聞きました」
「清太は、ずいぶん前から、白駒が夜いなく
なることに気がついていたようです。 でも、
だれにもそのことを話さずにいたのですね」


                つづく



まだまだ物語は続きます。
いずれ一冊の本にしたいと思っています。
つづきは、本になった時に、公立図書館など
で読んでいただきたいと思います。



長い間、「きよと清太と、そして白駒」を読
んでいただきありがとうございました。



   きよは、清太に会うことができる
   のでしょうか?