竜の姿をみた少女


   竜の姿をみた少女21


「竜が?」
「そう、神様の許しをえて、わしらが吹いて
いるのじゃ。
風といっても、いろいろな風があるね。どん
な風があるかな」



「五月、青葉が美しいころに吹く風。私、こ
の風が大好き」
「その風を、何というか知っているか。薫風
というのじゃ」
「薫風?」
「薫る風と書いて、薫風じゃ」



「夏に吹く涼しい風。体がこごえてしまいそ
うな冬の北風、台風の時のあらあらしい風、
竜巻の時の突風」
「そうだね。いろいろな風があるね。どの風
も、わしらが吹いているのじゃ。



風だけではないぞ。雨や雪なども、わしらが
降らすのじゃ」
「雨や雪も?」
「そうじゃ。わしらは、雨を降らせ、風を吹
かせて、米や野菜などがたくさんとれるよう
に、人間たちに力をかしているのじゃ」


                つづく



童話「竜の姿をみた少女」は、童話「竜神
になった三郎」の続編。


童話「竜神になった三郎」は、みほようこ
の二冊目の童話集「竜神になった三郎」に
収録されています。



    童話「竜神になった三郎」


http://www.geocities.jp/dowakan/saburou1.html




    童話集「竜神になった三郎」の紹介


http://www.geocities.jp/dowakan/douwasyuu2.html



     ビーケーワン

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