かきつばたになった少女


今日から、童話「かきつばたになった少女」
を紹介します。



「かきつばたになった少女」は、信州の霧ケ
峰高原に伝わっている「かきつばた」という
伝説をヒントにして、みほようこが書いた物
語。



   ある日、女神のかきつばたは、霧ケ峰
   高原へきすげの花をとりに行きました。
   そして、ふもとの少年・山彦と出会い
   ます。
   さて、二人は・・・?




    かきつばたになった少女1


昔、昔、ずぅーと昔。
神様が私たち人間と同じ国に住んでおられ
た頃のお話です。



八ヶ岳のふもとの高原には、おおぜいの女
神さまたちが住んでいました。
その中に、「かきつばた」という名前の、
美しい少女がいます。



かきつばたは、ある神様の一人娘でした。
神様は、たった一人の娘を、宝物のように大
切にしています。



女神さまたちは、みんな美しいかたばかりで
したが、かきつばたの美しさは格別でした。
黒い長い髪、すきとおるような白い肌、小さ
なかわいいくちびる、うっすらと紅をさした
ようなほお、すらりとした体、澄んだ清らか
なひとみ。
かきつばたのひとみは、いつもきらきら輝い
ていました。


               つづく



「かきつばたになった少女」は、みほようこ
の四冊目の童話集・「ライオンめざめる」に
収録されています。


 
童話集「ライオンめざめる」は、昨年十月、
「鳥影社」から発行されました。




       童話集「ライオンめざめる」


http://www.geocities.jp/dowakan/douwasyuu4.html