笛の音よ、永久にひびけ


笛の音よ、永久にひびけ15


若者は、村の人々が帰った後も、いつまでも
いつまでも笛をふきつづけました。
笛の音は、遠くふもとの村までひびきわたり
ました。
「若者よ、わしに新しい命を与えてくれて、
ありがとう。感謝しているぞー。



わしはうれしいのじゃ。わしはこの村が大好
きじゃ。
だから、このままずっとこの丘に住み続ける
つもりじゃ」
かえでの声が、どこからか聞こえてきました。



それから後、村の人々が丘へ登ると、どこか
らか美しい笛の音が聞こえてくるそうです。
笛の音だけでなく、かえでがあくびをする音
や、風にゆれる葉の音も聞こえるそうです。



           おわり

  
 

童話集「ライオンめざめる」裏表紙






  「笛の音よ、永久にひびけ」の挿絵

   挿絵は、長野ひろかず先生。

    (無断転用禁止)


   

童話「笛の音よ、永久にひびけ」は、スキー
大会の会場をつくるためにきりたおされた、
信州志賀高原の樹令200年の楓のお話。



童話「笛の音よ、永久にひびけ」は、
みほようこの四冊目の童話集「ライオン
めざめる」に収録されています。



童話集「ライオンめざめる」は、
「風の神様からのおくりもの」シリーズ4。
昨年(2006年)十月、「鳥影社」から
発行されました。






   わが家のBlogPet「ryuu」の句





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