ライオンめざめる


  ライオンめざめる13


「そのロケットが、おおぜいの手をへて、
こうして心のやさしいかなの手にわたった
のじゃ。
今までは、だれもライオンのうなり声を聞
くことができなかった。



でも、かなのおかげで、ライオンはやっと
長いねむりからさめることができたのじゃ。
ライオンよ、ほんとうに良かったのぅ」
かなは、神様の話を、ふしぎな思いで聞い
ていました。



「そうだ。みんなでライオンを送って行こ
う。わしも近いうちに西の国へ行きたいと
思っていたところじゃ。
かなとりゅうも、いっしょにいこう。
さあ、かな。りゅうをだいて、ライオンの
背中へお乗り」
神さまがいいました。



「さあ、かなさん。私の背中へ乗ってくだ
さい。いっしょに私が住んでいた国へ行き
ましょう」
ライオンがいいました。 


            つづく



童話「ライオンめざめる」は、みほようこ
の四冊目の童話集「ライオンめざめる」に
収録されています。



童話集「ライオンめざめる」は、昨年十月、
「鳥影社」から発行されました。








信州の霧ケ峰高原を訪れた時に、「風の神様」
から聞いたお話。



http://www.bk1.jp/product/02719469
 

http://7andy.yahoo.co.jp/books/detail?accd=31785511