女神さまとの約束


   女神さまとの約束10


野をこえ里をこえ、あっという間に、
八ヶ岳の登り口へつきました。
みあげると、二千五百メートル級のけ
わしい山が、帯のように続いています。



「この山のどこかに、黄金色の花が咲
いているのね。どの山に咲いているの
かしら」
「さあ、女神さまの話では、黄金色の
花はぴかっぴかっと光っているので、
おりてさがさなくても、私の背中から
みつけることができるそうですよ」
白駒がいいました。



「黄金色の花が、早くみつかりますよ
うに」
ふくは、心の中で女神さまにお願いし
ました。



まず、天狗岳からさがすことにしまし
た。
天狗岳といっても、赤い岩肌がむきだ
しになった東天狗岳と、山頂まではい
まつがはえている西天狗岳とあります。


            つづく



信州の佐久地方には、「白駒の池」と
いう伝説があります。
「女神さまとの約束」は、「白駒の池」
の伝説をヒントにして、みほようこ
書いた物語。