雪んこの舞


    雪んこの舞7


いやみをいわれても、けなげにがんば
るるみの姿をみて、一人ふたりとるみ
にやさしいことばをかけてくれる雪ん
こがあらわれました。
もうるみはひとりぼっちではありません。



十ニ月八日。
代表の雪んこたちが、下界へおりるリ
ハーサルの日です。
「無事におりていけるかしら」
るみは不安でした。
「あんなに一生けんめい練習したのだ
もの、きっとうまくおりていけるわ」
るみは何度もそう自分にいいきかせま
した。



百五十人の雪んこたちは、いっせいに
空の国を出発しました。
ところがあんなにきびしいけいこをし
たのに、「すとーん」とまっさかさま
に落ちてしまう雪んこばかりでした。
最後までちゃんとまった雪んこは一人
もいません。


             つづく



童話「雪んこの舞」は、みほようこ
初めての童話集「風の神様からのおく
りもの」に収録されています。



童話集「風の神様からのおくりもの」
は、信州諏訪の「風の神様」から聞い
たお話。







風の神様からのおくりもの―諏訪の童話

風の神様からのおくりもの―諏訪の童話




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