井戸で鳴く黄金色のにわとり


 井戸で鳴く黄金色のにわとり12


どのくらいの時間がすぎたのでしょ
うか。
「姫。わしが、大島城を守ってやる
ぞー。安心しろ。
わしは、大蛇ケ淵の主じゃ」
どこからか、おごそかな声が聞こえ
てきました。



すると・・・。
大蛇ケ淵から、水柱があがりました。
天まで届くほどの巨大な水柱でした。
「わぁーっ」
「すごい水柱だ!」
水柱をみた三河の兵士たちが、驚
きの声をあげました。



空から、ぽつぽつと大粒の雨が降
ってきました。
そして、どしゃぶりの雨になりま
した。目をあけておれないほどの
強い雨でした。


              つづく



「井戸で鳴く黄金色のにわとり」
は、信州伊那谷の大島城」に伝
わっている伝説をヒントにして、
みほようこが書いたもの。