瑠璃寺の青獅子


    瑠璃寺の青獅子11


「たった一本の手綱で、屋台と獅子
をたくみにあやつっているのは、宇
天王なのじゃ」
「屋台といいますと」
「この寺の獅子舞は、屋台を使って
いる。大きな木の枠に車輪をつけ、
竹で骨組みをつくる。



そして、その上に幌をかけるのじゃ。
屋台の長さは、約七メートル。
幅は、二メートル。高さは、二メー
トルくらいあるかのぅ」
「大きな屋台なのですね。
屋台の中へは、何人入るのですか」
男が聞きました。



「大太鼓・小太鼓・笛を吹く人で、
十人くらいかのぅ。その他に、獅子
頭の舞い手が何人か入る」
「そんなに大勢の人が、屋台の中へ
入るのですね」
男は、大がかりな獅子舞に驚きました。


            つづく



「瑠璃寺の青獅子」は、信州高森
町の瑠璃寺に伝わっている話をヒ
ントにして、みほようこが書いた
物語。



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