白駒の池物語


  白駒の池物語54


だから、何不自由なく育ったきよ
ちゃんを、おらは幸せにしてあげ
ることができないだろう。
それに、第一、家柄がちがいすぎる。
清太の心は、ゆれました。



「おらは、きよちゃんが大好きだ」
きよちゃんにこういえたらどんな
にいいだろうと、清太は思いました。
二人は、無言のまま、ゆうすげの
つぼみをみていました。



「きよちゃんは、おらのことを、
どう思っているのだろうか」
清太は、きよの顔をそっとみました。
一方、きよも、「私は、清太さん
が大好き。
清太さんは、私のことをどう思っ
ているのかしら」と、心の中で問
いかけていたのです。



どのくらいの時間がすぎたのでし
ょうか。
二人には、長い時間がすぎたよう
に感じました。


           つづく



「白駒の池物語」は、信州佐久にあ
る「白駒の池」に伝わっている話を
ヒントにして、みほようこが書いた
物語。



   昨日の分は、こちら。


   白駒の池物語53


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20080928#p1




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    白駒の池物語1


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20080807#p1



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    「白駒の池」の写真


http://www.geocities.jp/dowakan/tegami56.html