平成の歌16


落ち柿の饐ゆる匂ひもしたしくて

   よけつつ木下を駅に急ぎぬ



朝夕に水かけ育てし春菊を

   間引く背中に残暑きびしも



わが庭より移しハナノキ紅葉する

   傍らに朝々孫のむつき干す



みどりごにはめられおりし足の輪と

   今日とれし臍の緒を日陰干しす