平成の歌26


秋となる光の中に松葉ボタン

   小振りとなりし花の咲きつぐ



正岡子規名付けしといふ「無塵庵」

   茅ぶき屋根より雫し止まず



光り苔も見えざりし光前寺の

   雨濡れ散る紅葉ばを拾ふ



台風に根こそぎ倒れし柿の木の

   色づきし実の夕日に照らふ