平成の歌30


亡き夫を心に下り立てば

   在りし日植ゑし春蘭の咲く



左千夫先生の小説の舞台となりしお蛇ケ池

   雨に煙りてただに静もる



母ここに座りゐましと心しむ

   故里に来て姉と並ぶ縁に



ちぎり絵に励みし今日は掃除機の

   塵に目にたつ色とりどりの和紙