平成の歌46


在りし日に母剥きくれし真綿入れ

   娘の半纏を今宵仕上げぬ



紙のごとく軽き宇宙食のストロベリー

   含めば清かに香り広がる



山峡の谷間を白く包みゐし

   霧のぼりくるわが立つ丘に



雲間より差しくる朝日に煌きつつ

   舞ひくる雪は地につかず消ゆ