じいじとせみ5
二時間後。
近所の人の電話で、ばあばはじい
じの入院している病院へいそぎま
した。
家に帰ったじいじは、庭の木や花
に水をかけました。
ところが急に心臓のぐあいが悪く
なり、たおれてしまったのです。
ばあばが急いで病院へかけつける
と、真っ青な顔でベッドに横にな
っていました。
「ぼうやにこのせみをわたしてお
くれ」
そういって、じいじは紙袋に入っ
たせみをわたしました。
こんな体になっても、まだぼうや
と約束したことを守ろうとしてい
るじいじ。
そんなじいじをいじらしく思いま
した。
つづく
昨日の分はこちら。
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20090724#p1
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