竜神になった三郎6
真っ黒な長いかみ・色白な顔・赤
いくちびる・澄んだひとみ・すら
りとした体。
娘は、桃色の着物をきていました。
諏訪湖の精のような、美しい娘で
した。
三郎は、今までこんな美しい娘を、
みたことがありません。
「なんて美しい人だろう。
こんな人を妻にできたら、どんな
に良いだろう」
三郎は、心の中でそっとつぶやき
ました。
一方、娘の方も、「なんてりりし
いかたかしら。
こんな人の妻になれたら、どんな
にうれしいことか」と思ったのです。
ひとめみた時から、二人とも忘れら
れなくなってしまったのです。
「家はどこ?」
「この近くなの。ほら、あそこにみ
える家よ」
つづく
昨日の分は、こちら。
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20091211#p1
初めて読んでくださったかたへ
竜神になった三郎1
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20091207#p1
童話「竜神になった三郎」は、
みほようこの二冊目の童話集「竜神
になった三郎」に収録されています。
2004年4月、信州の諏訪大社の
「御柱祭」にあわせ、「鳥影社」か
ら発行されました。
信州諏訪の「風の神様」から聞いた話。
- 作者: みほようこ,長野ひろかず
- 出版社/メーカー: 鳥影社
- 発売日: 2004/04
- メディア: 単行本
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今回、「竜神になった三郎」の続編
として、童話集「竜の姿をみた少女」
が、「鳥影社」から発行されます。
12月12日頃、発売の予定。
この本も、ぜひ読んでいただきたいと
思います。