井戸で鳴く黄金色のにわとり


 井戸で鳴く黄金色のにわとり4


「おとうさま。城のまわりなら、
いいでしょ」
「まあ、いいだろう。でも、くれぐ
れも気をつけておくれ。
それから、もう一つ」



姫は、なんだろうと思いました。
「大蛇ケ淵へ、近づかないように」
「おとうさま。なぜ、淵へ近づい
てはいけないの」
「淵には、なにかいるらしい」
「なにがいるの? おとうさま」



「大きな蛇がいるらしい」
「大きな蛇?」
「だから、淵へは近づかないように。
わかったね、姫」
信廉は、るり姫に念をおしました。


           つづく



   昨日の分は、こちら。


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100113#p1



 初めて読んでくださったかたへ


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100111#p1



「井戸で鳴く黄金色のにわとり」は、
信州の伊那谷にあった「大島城」に
伝わっている話をヒントにして、
みほようこが書いた物語。