井戸で鳴く黄金色のにわとり


 井戸で鳴く黄金色のにわとり17


兵士たちの打った矢が、あたった
のでしょうか。
淵の水が、たちまち真っ赤になり
ました。



すると、あたりが真っ暗になりま
した。
「ごろごろっ」
「ごろごろ」
雷が鳴り出しました。
耳がさけてしまいそうな、すさま
じい雷でした。



「ぴかっ、ぴか」
「ぴかっ」
真っ暗な空に、いなずまが走ります。
なにかがいかりくるっているかのよ
うでした。



「ぴしゃ」
「ぴしゃっ」
大きな音をたて、雷がいくつも落ち
ました。


           つづく



   昨日の分は、こちら。


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100126#p1



   初めて読んでくださったかたへ


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100111#p1



「井戸で鳴く黄金色のにわとり」は、
信州の伊那谷にあった「大島城」に
伝わっている話をヒントにして、
みほようこが書いた物語。