ふしぎな鈴8
姫が七才になった春のある日。
庭の桜が満開になりました。
例年になく、美しい桜でした。
「今年の桜は、みごとじゃのぅ」
おとうさんはごきげんでした。
「姫、いいものをあげよう。
この鈴は、わが家に伝わってい
る鈴だよ」
おとうさんは、木箱に入った二
つの鈴をくれました。
その鈴は、諸国を旅していた坊
さんが、大江家に泊まった時、お
礼にくれたものでした。
「この鈴を、大切にするように」
そういって、坊さんは立ち去った
そうです。
つづく
昨日の分は、こちら。
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100616#p1
初めて読んでくださったかたへ
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100610#p1
「ふしぎな鈴」は、みほようこの
三冊目の童話。
2005年9月、「鳥影社」から
発行されました。
リーン・リーン・リーン。…
五百年の時をへて、心やさしい小
桜姫と現代の少女をむすぶ、美し
い鈴の音が聞こえる。
信州諏訪の「風の神様」が、そっ
と教えてくれたお話。
http://www.bk1.jp/product/02593627