笛の音よ、永久にひびけ4
「もうーいいかい」
「まぁーだだよ」
こどもたちは、かえでの木の下
で、じゃんけんやかくれんぼを
して遊びます。
かえでは、村のこどもたちが大
好き。こどもたちも、かえでの
木が大好きでした。
こどもたちだけでなく、おとな
もかえでの木が大好きでした。
こどものころを思い出し、かえ
での美しい芽吹きや黄葉をみに、
丘の上へやってきます。
そして、かえでの木の下で、ゆっ
くり休んでいきました。
かえでが冬のねむりからさめた、
春のある日。
「この木も、じゃまだー」
「あの木も、じゃまだぞぉ」
つづく
前回の分は、こちら。
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100823#p1
初めて読んでくださったかたへ
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100821#p2
「笛の音よ、永久にひびけ」は、
スキー大会の会場をつくるために
きりたおされた、信州の志賀高原
の樹令200年の楓のお話。
童話「笛の音よ、永久にひびけ」
は、みほようこの四冊目の童話集・
「ライオンめざめる」に収録され
ています。