ライオンめざめる


  ライオンめざめる16
 

ライオンは、やさしかった王妃を
なつかしむようにいいました。
「そのロケットが、おおぜいの手
をへて、こうしてかなの手にわた
ったのじゃ。



今までは、だれもライオンのうな
り声を聞くことができなかった。
でも、かなのおかげで、ライオン
はやっと長いねむりからさめるこ
とができたのじゃ。
ライオンよ、ほんとうに良かった
のぅ」



かなは、神様の話を、ふしぎな思
いで聞いていました
「そうだ。みんなでライオンを送
って行こう。
わしも近いうちに西の国へ行きた
いと思っていたところじゃ。



かなとりゅうも、いっしょにいこう。
さあ、かな。りゅうをだいて、ライ
オンの背中へおのり」
神さまがいいました。


             つづく



    前回の分は、こちら。
  

http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100925#p1



    初めて読んでくださったかたへ


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100910#p2



信州の「霧ケ峰高原」を訪れた時に、
諏訪の「風の神様」から聞いた話。


童話「ライオンめざめる」は、
みほようこの四冊目の童話集
「ライオンめざめる」に収録され
ています。








    「ライオンめざめる」裏表紙