ライオンめざめる15
「神さま、ライオンはなぜ小さく
されてしまったのですか」
かなは、神様にたずねました。
「このライオンはのぅ、二千年く
らい前、西の国の王妃がかわいが
っていたライオンなのじゃ。
ある日、ライオンは魔法をかけら
れ、小さくされてしまったのじゃ」
「じゃあ、ライオンは、なぜいた
いよぉってないていたのですか」
「それはのぅ、魔法をかけられた
時、魔法つかいの杖で、何度も強
くなぐられたのじゃ。
だから、体中が痛いのじゃろ」
すると、ライオンが話しはじめま
した。
「王妃はかなしがって、小さくな
った私を、金のロケットにしたの
です。
そして、王妃は、なくなるまで私
を大切にしてくれました」
つづく
前回の分は、こちら。
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100924#p1
初めて読んでくださったかたへ
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100910#p2
信州の「霧ケ峰高原」を訪れた時に、
諏訪の「風の神様」から聞いた話。
童話「ライオンめざめる」は、
みほようこの四冊目の童話集
「ライオンめざめる」に収録され
ています。
「ライオンめざめる」裏表紙