ライオンめざめる14
「かな、さっき松虫草のまわりを
舞っていたちょうは、なんという
ちょうか知っているか」
「知りません。神さま、なんとい
うちょうですか?」
「くじゃくちょうというのじゃ。
この高原へきても、めったにくじゃ
くちょうには会えんぞ。
心のやさしい少女がこの高原にく
ると、くじゃくちょうはどこからか
でてくるのじゃ。
でも、ほんとうにやさしい人しか、
くじゃくちょうの姿はみえないのじゃ。
わしもそこでくじゃくちょうの舞を
みていたが、うっとりするような美
しい舞じゃったのぅ」
神さまは、くじゃくちょうのことを、
いろいろ教えてくれました。
つづく
前回の分は、こちら。
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100923#p1
初めて読んでくださったかたへ
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20100910#p2
信州の「霧ケ峰高原」を訪れた時に、
諏訪の「風の神様」から聞いた話。
童話「ライオンめざめる」は、
みほようこの四冊目の童話集
「ライオンめざめる」に収録され
ています。
「ライオンめざめる」裏表紙