女神さまからのおくりもの83
それから、一週間がすぎました。
でも、清太は帰ってきません。
「とうちゃん。清太さんは、もう
この家にもどってこないのでは。
ほんとうのことをいって」
「きよ。とうちゃんを許してほしい。
清太は、この家にはもどってこない。
清太には、出ていってもらったのだ」
「とうちゃん。清太さんが、なにか
したの」
「いや・・・清太は、なにもしない。
ただ・・・清太が・・・きよを・・・大好き
だといったからだ。
結婚することができない若い二人が、
同じ屋根の下で暮らすわけにはいか
ないからね」
きよは、そんなことではないかと、
心配していたのです。
「清太さんは、今どこにいるの。
諏訪へ帰ったの」
「清太は、自分の家には、もどって
いないそうだ。
どこへ行ってしまったのだろうね」
つづく
前回の分はこちら。
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20101221#p1
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