黄金色のまゆ玉13
それから三十年がすぎました。
「ねえ、あなた。ぼつぼつ二つ目
のまゆ玉が授かるころね。
今度黄金色のまゆ玉を授かったら、
そのまゆ玉を私にかしてくださら
ない?」
ある日、奥さんがいいました。
「ああ、いいよ。今度まゆ玉を授
かったら、おまえにそのまゆ玉を
かしてあげよう」
明神さまは、奥さんと約束しました。
「あなた、約束を破ってはだめよ」
「わかった。わかった」
明神さまは、いいいました。
「でも・・・あのかたは、もう一つ
黄金色のまゆ玉がほしくなって、
私にまゆ玉をかしてくれないので
はないかしら」
奥さんは、なぜかそう思いました。
女のかんです。
つづく
前日の分は、こちら。
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20110122#p1
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