黄金色のまゆ玉17
「友だちのこどもが、元気になる
までだよ」
「もし、そのこどもの病気がよく
ならなかったら、どうなるの?」
「もちろん、病気がなおるまで、
まゆ玉をかしてあげるさ」
「そんな・・・。じゃあ、私との約束
は、どうなるの。
私、長い間、黄金色のまゆ玉をか
してもらえると楽しみにして待っ
ていたのよ」
心のやさしい奥さんでしたが、さ
んざん楽しみにして待っていたま
ゆ玉です。
奥さんは虫のいどころが悪かったの
か、すなおになれませんでした。
「私、このやしきを出ていくわ」
「これくらいのことで、出ていか
なくても良いではないか」
「まゆ玉のことはともかくとして、
私は寒いのが大嫌い。
今までずっとがまんしていたけれど、
ここは日が沈むのも早いし、とても
寒い。
こんな寒い所には、これ以上住めな
いわ。
つづく
前日の分は、こちら。
http://d.hatena.ne.jp/youko510/20110126#p1
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