黄金色のまゆ玉


   黄金色のまゆ玉18


私は、湖の向こう側の日がよくあ
たる場所へいって暮らしたいの」
そういうと、奥さんはさっさとし
たくをして、湖の向こう側へ行っ
てしまいました。



そして、明神さまが何度迎えに行
っても、奥さんは帰ってきません
でした。



「私、この下諏訪の地が気にいっ
たわ。
朝も早くから太陽の顔をみること
ができるし、上諏訪のやしきより
ずっと暖かい。



それに、このごろ温泉もわきでる
ようになったし。
だから、私はずっとここでくらす
つもりよ」
そういって、奥さんは下諏訪のや
しきで暮らすことになったのです。



もともと、人がうらやむほど仲の
いい夫婦。
明神さまは奥さんと離れているの
がつらく、夜になると、毎晩奥さ
んに会いにいきました。


             つづく



      前日の分は、こちら。


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20110127#p1



      初めて読んでくださったかたへ


http://d.hatena.ne.jp/youko510/20110111#p1