風の神様からのおくりもの


 風の神様からのおくりもの 14


「なにかしら」
近づいてみると、黄金色の小さなまゆ
玉でした。
大きさは、普通のまゆ玉の半分くらい。



「まあ、小さなまゆ玉だこと。 でも、
なんて美しいまゆ玉なの。 こんなまゆ
玉は、みたことがないわ。 だれがおい
ていったのかしら」
おばあさんはまゆ玉を手にのせると、娘
とまごのいる部屋へとんでいきました。



「今縁側でね、このまゆ玉をみつけたの。
美しいまゆ玉ね。 そうそう、この子の
名前だけど、まゆとなづけたらどうかしら。
真の優しさと書いて、まゆと読むのよ」
おばあさんは、娘にいいました。


      つづく


「風の神様からのおくりもの」は、
みほようこの初めての童話集「風の
神様からのおくりもの」に収録されて
います。


2001年8月、「鳥影社」から発行







心を病む兄のために、明神さまに
お参りする心優しい少女の話など
4編。
心温まる創作童話。
挿絵は、長野ひろかず先生。



   童話集「風の神様からのおくりもの」


http://www.geocities.jp/dowakan/douwasyuu1.html