風の神様からのおくりもの 13
とくに、この頃は、人々にやさしさ
がなくなり、「自分さえよければ、
他人はどうなってもよい」という人
がほとんどです。
だから、ニ千年位たたないと、黄金
色のまゆ玉は手にはいらなかったの
です。
黄金色のまゆ玉は、この地方に住ん
でいる人々のやさしさをしめす、鏡
のようなものでした。
次の日の朝。
窓をあけたおばあさんは、縁側できら
っきらっと光っているものをみつけま
した。
つづく
「風の神様からのおくりもの」は、
みほようこの初めての童話集「風の
神様からのおくりもの」に収録されて
います。
2001年8月、「鳥影社」から発行
心を病む兄のために、明神さまに
お参りする心優しい少女の話など
4編。
心温まる創作童話。
挿絵は、長野ひろかず先生。
童話集「風の神様からのおくりもの」