風の神様からのおくりもの


 風の神様からのおくりもの 24


そんなある日。
「この家の子ね、まゆちゃんていう
んだけれど、一年たってもまだねが
えりができないんだって。 ぺたん
とねているだけだって」



「まだねがえりができないの。 早
い子は、外を歩いているのにね。ま
ゆちゃんて、ちょっとおかしいんじ
ゃないの」
近所のこどもたちが大声で話しなが
ら、家の前を通りすぎていきました。



その夜、まゆ玉をみたおかあさんは、
どきりとしました。
まゆ玉が、赤黒い色に変わっていた
のです。



    つづく


「風の神様からのおくりもの」は、
みほようこの初めての童話集「風の
神様からのおくりもの」に収録されて
います。


2001年8月、「鳥影社」から発行







心を病む兄のために、明神さまに
お参りする心優しい少女の話など
4編。
心温まる創作童話。
挿絵は、長野ひろかず先生。



   童話集「風の神様からのおくりもの」


http://www.geocities.jp/dowakan/douwasyuu1.html