風の神様からのおくりもの


 風の神様からのおくりもの 23


「両親は、毎日まゆにやさしいこ
とばをかけておる。 なかなかで
きないことじゃのー。 そうそう、
もっともっとたくさん、まゆにや
さしいことばをかけておやり。
それが何よりの薬なのじゃ」と。



一年がすぎました。
まゆと同じころ生まれたこどもは、
どの子もつかまりだちができました。
発育の良いこどもは、外を歩いてい
ます。



でも、まゆは、ぺたんとねているだ
けです。
ねがえりすらうてません。
おかあさんは、よそのこどもをみる
たびに、胸がちくりと痛みます。


       つづく


「風の神様からのおくりもの」は、
みほようこの初めての童話集「風の
神様からのおくりもの」に収録されて
います。


2001年8月、「鳥影社」から発行







心を病む兄のために、明神さまに
お参りする心優しい少女の話など
4編。
心温まる創作童話。
挿絵は、長野ひろかず先生。



   童話集「風の神様からのおくりもの」


http://www.geocities.jp/dowakan/douwasyuu1.html