諏訪の神話「明神さまの弓」


   明神さまの弓 18


ある日。
たけるは、城にたてこもっている
賊を討つため、越後へ向かってい
ました。



碓氷峠を越え、山深い里にたどり
ついた時、日が暮れてしまいました。
「困ったな。今夜は野宿か」
そう思いながらとぼとぼ歩いていく
と、みすぼらしい一軒の家がありま
した。
雨と風がふせげるだけのあばら家で
した。



「こんばんは」
「こんばんは」
たけるは、玄関で声をかけました。


      つづく