牛に乗ったお玉さま


   牛に乗ったお玉さま 8


お玉の赤い緒のぞうりと、坊さん
の白い緒の下駄でした。
お玉も、いつしか坊さんのことが
好きになっていたのです。



「死ななくてもよかったのに。
なぜ死んでしまったの」
「坊さんが好きだといってくれれば
よかったのに」
一人娘をなくした長者夫婦は、なげ
き悲しみました。



黒もお玉を慕って、「もぉー、もぉー」
となき続けました。


      つづく