明神さまの姿をみた少女

 

 明神さまの姿をみた少女 6


少女が高原の頂上めざして登って
いくと、枯草の中にニ十本位松虫
草の花がさいていました。
松虫草の花は秋の日をあび、きら
きらとかがやいています。


「なんてきれいな花だろう。 兄
ちゃんは松虫草の花をみて、どん
な顔をするだろうか」
少女は松虫草の花をじっとみてい
ました。



すると、どこからか赤いちょうが
一匹まってきました。
松虫草の花の上で、赤いちょうが
羽を大きくひろげた時、少女は余
りの美しさに「あっ」と声をあげ
ました。


      つづく
 


「明神さまの姿をみた少女」は、
みほようこの初めての童話集
「風の神様からのおくりもの」に
収録されています。