明神さまの姿をみた少女


 明神さまの姿をみた少女 5


兄は薄紫色の松虫草が大好きでした。
少女はなんとかして、兄のよろこぶ
顔がみたかったのです。



少女は細い急な道を、高原めざして
登っていきました。
まわりの山々は、赤や黄色に紅葉し
はじめていました。



三時間位歩いたでしょうか。
少女はようやく高原のふもとにつき
ました。
夏の間美しく咲いていた高原の花々
は、すっかりかれていました。
そして広い高原はすすきでおおわれ
ていました。


       つづく