きよと清太と、そして白駒


きよと清太と、そして白駒51


「きよさん。早くしたくをしてください」
「白駒、どこへ行くの?」
「だれか目をさましたようですよ。さあ、
早くしたくをしてください」
きよは、急いでしたくをしました。
そして、白駒の背にとびのりました。



「白駒、どこへ行くの?」
きよは、ふたたび白駒に聞きました。
「まず、霧ケ峰高原へ行きましょう」
「霧ケ峰高原?」
「そう、霧ケ峰高原。高原では、今松虫草
の花がきれいに咲いています。
私は、きよさんに、一日も早く元気になっ
てほしいのです」
白駒がいいました。



高原へつくと、一面すすきの原でした。
すすきにまじり、薄紫色の松虫草の花が咲
いています。
きよは、白駒の背からおりると、松虫草
花の方へ歩いていきました。
松虫草の花が、朝日にあたり、きらっきら
っと光っています。


つづく