守屋山に黄金色の花が咲いた


 守屋山に黄金色の花が咲いた 6


「少女よ、これくらいの苦しみや
悲しみに負けるなよ。 おまえの
ことはこのわしがしっかり守って
やるぞ」
明神さまは少女の顔をみるたびに、
心の中でそうつぶやくのでした。



それから三年三カ月がすぎました。
山深い村にも、ようやく温かな春
がやってきました。
少女は兄を喜ばそうと、守屋山へ
黄金色の花を探しに行こうと思い
ました。



幻の花といわれている黄金色の花
さえ見つかれば、兄がやさしい人
になれるような気がしたのです。


       つづく