女神さまとの約束 52
ふくは、けわしい岩場の生活に、
だんだんあきてきました。
病人をすくうことに、むなしさ
を感じるようになっていました。
「女神さまが、自分で病人をす
くえばよいのに。なぜ私がすく
わなくてはならないの?」
こんな気持になることも、たび
たびでした。
「とうちゃんは、元気でいるか
しら」
「たきたてのあたたかなごはん
が、食べたいな」
「大好きなりんごも食べたい」
そう思うと、ふくは家に帰りた
くなってしまいました。
つづく
「女神さまとの約束」は、みほようこの
童話集「竜の姿をみた少女」に収録され
ています。
http://www.geocities.jp/dowakan/douwasyuu5.html