2016-12-12 竜神になった三郎 童話 竜神になった三郎 9 二人とも初めて会ったのに、いつ かどこかで会ったことがあるよう な、とてもなつかしい気がしました。 「一週間後、もう一度ここであおう」 そう約束して、二人は別れました。 その日、三郎は軽い足取りで、家に 帰りました。 何時間もかかる長いみちのりも、急 な坂も、今日はへっちゃらでした。 「三郎、今日はうれしそうな顔をし ているが、町で何か良いことがあっ たかや」 太郎が聞きました。 「いや、べつに」 三郎はぶっきらぼうに答えました。 つづく