竜神になった三郎


   竜神になった三郎 8


一方、娘の方も、「なんてりりしい
かたかしら。こんな人の妻になれた
ら、どんなにうれしいことか」と思っ
たのです。
ひとめみた時から、二人とも忘れら
れなくなってしまったのです。



「家はどこ?」
「この近くなの。ほら、あそこに
みえる家よ」
「兄弟は何人?」
「私、一人っ子なの。おじいさん
と暮らしていたけれど、おじいさ
んもこの春なくなってしまったわ。
だから今は一人っきり」
村の娘とちがい、娘のことばは上
品でした。


        つづく