竜神になった三郎


   竜神になった三郎 7


三郎が後をふりむくと、はっとする
ほど美しい娘が立っていました。
真っ黒な長いかみ・色白な顔・赤い
くちびる・澄んだひとみ・すらりと
した体。
娘は、桃色の着物をきていました。
諏訪湖の精のような、美しい娘で
した。



三郎は、今までこんな美しい娘を、
みたことがありません。
「なんて美しい人だろう。こんな
人を妻にできたら、どんなに良い
だろう」
三郎は、心の中でそっとつぶやき
ました。


        つづく