竜神になった三郎


   竜神になった三郎 22


どのくらいの時間がすぎたのでしょ
うか。
「気分はどうじゃ。気がついたかな」
その声で、三郎ははっと目がさめま
した。
三郎は、広い部屋の中で寝ていました。
そばには、長いひげのおじいさんが
立っています。



「わしは地の国の神じゃ。本当にひ
どい目にあったのぅ。しかし、おまえ
はあんなひどい目にあっても、兄た
ちを少しもにくんでおらぬ。なぜじゃ。
なぜお前は、兄たちをにくまないの
じゃ」
神様は、三郎にたずねました。


        つづく