竜神になった三郎


   竜神になった三郎 27


「三郎はな、町で用たしをしてくる
といっとった。だから、もうすぐ帰
ってくるじゃろ。心配ないさ」
兄たちは、平然としていいました。
しかし、三郎は帰ってきません。



一日たち、二日たち、三日たっても、
三郎は帰ってきませんでした。
「三郎さんはどうしたのかしら」
三郎のことが心配で、妻はいてもた
ってもいられません。
妻は諏訪湖へ行き、朝から晩まで三
郎を探しました。
でも、三郎はみつかりませんでした。 


        つづく